丸型ライバル
の様子がおかしい
最近
そっけないし
毎日誘っても毎回断ってくるし
しかも、断る時の声がやたらに弾んでいる
おかしい
絶対おかしい
は俺に隠れて何かしている
あるいは、誰かと…密会?
「なんだ、またそんな事で召集かけてきたんですか?」
ココア味のクッキーを齧って、二コルがうんざり顔で呟く
そんな事とはなんだ。と叫ぶ隙も与えず
ディアッカも大きく頷いてきた
「そっけないのはいつもの事じゃねーの?」
「ってか、毎日誘ってたんですか?」
「うっわ…彼氏気取りかよ」
彼氏なんだよ彼氏!
知っているくせに、その軽蔑するような目はなんだ?
すっかりソファでくつろいで、あれやこれや
辛口コメントを浴びせてくる面子
ふと
その中にアスランの声が加わっていないという
どうでもいい事に気がついて
アスランに視線を送ると
…
一人で笑いをかみ殺していた
なんだなんだ?何がそんなに面白いんだ?
「おいアスラン」
何かを知っている笑み?
何を知ってるんだ?
…の事か?
「キサマ、もしかしてがそっけない理由を知っているのか?」
いつの間にか辛口トークを終了していた二人も
俺同様、アスランに視線を送る
何かを含んだ笑みを隠すことなく
アスランは癪に障る視線を向けてくる
「いや…俺もがそっけないのはいつもの事だと思うが」
「けれど、最近がどこに行っているのか知っているんですか?」
「ああ。そこで何に会っているかも」
やはりアスランは重大な事実を握っていた
「やっぱり男のトコ−−」
軽はずみなディアッカの言動に
強い睨みをひとつくれてやって、アスランに向き直る
「それはどこだ」
「クライン邸」
その単語は、候補にもなっていないもので
「で、何故はこんな所にいるんだ?」
そして俺達は何故草むらに隠れているんだ?
両方の疑問は
もう少しすれば分る。
で済まされてしまう
言葉通り、もう少し経った今
「あ、あれじゃないですか?」
「ニコル、目良いな」
ちょっとずつ疑問は解消されそうだ
「待ってーピンクちゃん!」
「ナンデヤネン」
「つっかまっえた」
「ハロハロ」
草むらに隠れて見守る俺達の目の前で繰り広げられる光景
それは
まるで、海岸で恋人同士がやるアレのよう
そして
が捕まえたと両手に挟んで喜んでいる
ピンクの物体は…確かアスランが作っていた
「こういうことだ」
忌々しい声が
ニコルとディアッカの頭を超えて耳に届く
「の逢瀬の相手って…」
「ロボットだったんですね」
「ハロだ」
「…にしても」
「楽しそうですね」
「イザ−クといる時より楽しそうじゃね?」
「しっ!イザ−クに聞こえますよディアッカ」
よく聞こえてるよ
くそっ
こんなに馬鹿にされるのもアスランの…
いや、それは千歩譲って許そう
しかし人の恋人を自分の分身のようなロボットを使って
たぶらかすなんて言語道断
絶対許せん!
「アスランキサマぁー」
「やっぱり、俺が怒られると思ったよ」
俺は悪くないのに。
そう続けてため息をつくアスランと
アスランを睨みつける俺と
あくまで第三者という距離を置いて、楽しげに
こちらを見守るニコル・ディアッカの存在など知る由もなく
ピンクの丸型ロボットと戯れるの笑い声が
森に木霊していた
くそ、俺はあのロボットに負けたなんて認めないからな!
End
ハローハロゥの続編のような話。
イザ−クは皆(ヒロイン含む)によくからかわれてます
アスランはイザ−クとヒロインにやや振りまわされている感じで!
ラスティが出てないのは、キャラがつかめなかったからです…
ラスティファンの方、すいません