機械仕掛けの眠り姫3
えーと…
まず何から話せばいいんだろう?
指定の席に座って、予想通りの驚きを見せる面々を見渡しながら
「キラ…その子だれ?」
という、予想通りのミリィの言葉を耳にしながら
僕は
まずどこからの説明をすればいいか
そんな基本的な事に悩んでいた
そもそも説明するのが苦手な僕に
更に、ややこしいこの状態をどう上手く説明しろっていうんだろう?
繋いだ手が汗ばむ
そういえばさっきから凄まじい視線がこの手に注がれてる
多分ラスクだろうな
ニコニコいつも通りの顔してるけど
そこが余計に怖い
だからこそ早く説明しなくちゃいけないいんだけど…
「えーと…えーと」
冷や汗を額から流しながら、更に手を汗ばませていると
見かねたのか、がアスランに声をかけた
「お父さん、キラが困ってる」
「ああ…仕方が無い、俺から説明しよう」
ディアッカさん辺りが「お父さん!?」と叫んで
とアスランを交互に見、混乱していたみたいだけど
僕としては、やっぱりにとってアスランはお父さんなんだなと
妙に納得してしまった
アスランは僕達より一歩皆に近づいて
息を吸って
至極簡潔に言い放った
「は…俺の娘だ!」
一段と静まり返った食堂
勇敢にもその静けさを破ったのはディアッカさん
「アスランの娘…てことはーー」
言いながらある人物に視線を向けて
倣うように皆も一斉にその人物を見る
一度に視線を向けられたカガリは顔を真っ赤にさせながら
「ち、違うぞ!私が生んだんじゃないからな!!」
どこまでも響くような大声で叫び
アスランもすぐにそれを肯定して、やっとまともな説明をしてくれた
イザークさんの為にを作ったこと
けどイザークさんが時間に間に合わなかったせいと
僕がタイミング良くアスランの部屋を訪ねて
に気づいてしまったせいで
が僕を王子様だと思ってしまったこと
流石アスランは説明が上手くて
皆を一気に納得させてしまったけど
説明の最中、恨みがましそうに時々イザークさんを睨みつけていたのは
少し怖かった
イザークさんは壁にもたれて視線を全部無視してたけど
「なーる程、彼女をつくってやるってこーゆーこと」
訳しり顔でディアッカさんが、アスラン、イザ―クさん、と見まわし
ニヤリと笑う
「アスランやるじゃん」
「そうですわ、やはりアスランは天才ですわね!」
ディアッカさんの後に続いて、ほわんとした声
ラクス
にこにこ邪気の無い笑みでこちらへやって来て
隣のに手を差し出す
「はじめまして。ラクス・クラインですわ」
「うん、知ってる。こんにちわラクス」
やはり邪気の無い笑顔で、繋いでいた僕の手を離し
差し出されたラクスの手を握る
なんだ。
安心した
ラクスはの事を良く思わないかもしれない
そんな心配は必要なかったようだ
握手と笑みを交わす二人を見て心がホッと安堵の息をもらした
ラクスが優しい子でよか――
「って!ぇえ!?」
ラクスとの握手を終えたの掌にキラキラ光るものがあったから
何かと思ってよく見たら
画鋲が根元までざっくり刺さってた
なんて古い嫌がらせなんだラクス…
「仲良くしましょうね、」
その台詞は、宣戦布告にも聞こえた
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全員と初対面編です。
この話がないと先に進めないので
結構大切な話だったのですが…登場キャラ少な!
メインキャラのハズのイザークがほとんど口きいてませんでした
彼はきっとこれからいっぱいしゃべりますので!ので!
ラクスは黒くするつもりです
一応ライバルですし
でもラクス好きだから、あまり憎まれ役にはなって欲しくないなぁ…
さっそく画鋲付き握手してましたけど
ヒロインは痛覚とか多分ないのでこたえてません。
あ、補足として、ヒロインはすんなりと皆に受け入れられ
ラクスの宣戦布告後はもう皆と打ち解けていたそうです。