前略、森の中より#3
「あいつっ…私の愛用品を…!」
あの目覚まし時計気に入ってたのに…
演習終わったら、また買いにいかなきゃ
顔から双眼鏡を離し
太い幹に背中を預け、片足をぶらりと
腰を下ろしている枝から垂らした
「ってか、あいつら早速仲間割れ?」
この演習の事も、私の事も
完全に舐めてるとしか思えない
敵としては、仲間割れしてくれた方がやりやすいし
願ってもない事なんだけど
演習が終われば、私含めあのメンバーでやっていかなきゃいけないのに
「はぁ…やっぱエースパイロットは扱いにくいです。隊長」
小さく呟いて、頭も幹に預けた
どれ位前だったかもう忘れてしまったけど
この木の温もり、匂いが懐かしい
あの時は、今とは逆の立場だったけど…
つかの間、ゆっくり過去を思い出して
身震いで中断した
「…思い出すんじゃ、無かった」
思い出しただけで粟立った腕をさすりながら
首を振って記憶を飛ばした
首にぶら下げていた双眼鏡を持ち上げ
再び目に当て、さっきの場所を見る
もうそこには誰も居ない
「さて、どんな風に出てくるかな」
脳裏にアスラン・ザラの顔を浮かべる
アスラン…
時計の恨みは深いわよ
枝から飛び降り、地面の感触を実感する
とりあえず、武器の点検と、準備運動でもしておくか
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ヒロインオンリーだったので、名前変換できませんでした…
「ザフトの為に」目ざましあったら、私も欲しいです
軍人専用の売店にしか売ってないそうですよ